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2016.10.17更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

今回は、人工の骨を使って顎を太くする方法です。

人工の骨と言っても、いろいろありますが、人工の骨(カルシウム・ハイドロキシアパタイト)を用いた方法についての利点を説明します。

1. 人工の骨である為、それによって何かの病気に感染するということがない
2. いくらでも用意することができる
3. 最終的に自分の骨に置き換えることができる

例えば以前にお話しした上顎洞という空洞をこの人工骨で埋めてしまうことも可能です。感染しないうえ、いくらでも用意できる非常に便利な材料です。

ただし、以下のような欠点もあります。

1. 骨が吸収されてなくなってしまい、自分の骨に置き換わらないことがある(100%自分の骨に置き換わる保証がない)
2. 小さな顆粒でできている為、どのような形にもなるが、逆に形がない分、この材料だけでは形を作るということができない
(何かを形作らなければいけない場合、鋳型のような「膜」が必要となってくる)

つまり単独で使用する場合は、少し骨が足らない(容積としては2〜3mm3)というような時で、大きな欠損の場合は、他に「膜」を必要とすることがしばしばあります。

次回は、自分の抜歯した歯を移植材料にするという比較的新しい方法をお話しします。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.10.12更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

先月の続きです。

インプラントを植えられる丈夫な骨を得る方法は? インプラントが十分植えられるだけの骨があればいいのですが、歯がグラグラしている場合などは、それを期待できません。ではどうやって無くなった骨を取り戻すのでしょうか。

残念ながら骨を太く強くするような薬などの方法は存在しないため、違う場所から骨をもらってくる・または「作る」必要があります。従って、以下の下記の方法から選択することになります。

1 自分の骨を利用して顎の骨を太く厚くする方法
2 人工の骨を利用し顎の骨を太く厚くする方法
3 自分のグラグラになった歯を利用し骨を太く厚くする方法

まず、1番の自分の骨を利用する方法ですが、インプラントを植えようとした場合、まず自分の骨を持ってくることが一番無難です。異物反応がないからです。

例えば、下の顎の骨にインプラントを植えようとする時、ちょっと足りないくらいであれば、同じ下顎の骨の一部をもらってくる、または上顎からもらってくるという方法があります。それでも足りないのであれば、膝下5センチくらいのところ(脛骨)からもらってくるという方法もあります。もっと足りない場合は、腰の骨(腸骨)からももらうこともできます。ただし腰の骨をもらう場合は、外来診療では危険ですから、入院が必要となります。

自分の骨は、移植しても免疫反応がない為、一番いい方法ですが、場合によっては入院治療が必要となり、口の中以外に、傷をつけないといけないので治療法としては敬遠されがちです。

2・3に関しては次回以降で説明いたします。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.09.29更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

前回の続きです。

現在の治療方法では、(歯がないところには)インプラントが最適かと考えます。しかし、上顎や下顎で骨が薄い、骨が少ない場合はインプラント治療が困難となることがあります。つまり、インプラントを支える骨が足らないので植えられないということです。では治療ができるような骨をどうやって作るか?大きく分けると以下の3つの方法があります。

1. 自分の骨を利用して顎の骨を太く厚くする方法
2. 人工の骨の代用品を利用し顎の骨を太く厚くする方法
3. 自分のグラグラになった歯を利用し骨を太く厚くする方法

治療には必ず利欠点がありますのでその点はもちろん、詳しく説明させていただきますが、やはり患者様のお口の状態や生活に影響の出ないものがいいと考えます。どれが一番良い方法かのご提案はさせていただきますが、最終的にどの方法にするかは、患者様ご本人が決める事になります。

安心して治療を受けていただく為に、ベストな方法を一緒に考えますので、不安な事、わからない事がありましたら、お気軽にご質問ください。

次回は更に掘り下げて、3つの治療法について順に詳しい解説をしたいと思います。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.09.26更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

今回は下顎のお話をします。

下顎には前回お話ししたような空洞はありません。下顎の骨が痩せてお箸のようになってしまった場合は骨を作らないといけませんが、基本的には上顎のようにそこまでの造骨は必要ありません。

しかし、下顎には神経が奥から前方に向かって走っています。これは最終的に、前から3〜5番目の歯のあたりから骨を出て唇周囲の感覚を担当しますので、それが傷ついてしまうと、唇周囲の感覚が鈍くなったり、感覚が無くなってしまうこともあります。そうならないために、インプラント治療を行う場合は造骨が必要になることがあります。

唇周囲の感覚の話をしましたが、唇の運動はまた違う神経が担当し、その神経の存在部位も違うので、動かなくなるということはありません。

インプラント治療の時に骨を作らないといけない場合は、神経が顎の上の方にある場合や、神経の位置は問題ないが骨がないという場合です。従って、上顎の時より骨がないと言って大きな手術をする必要性は少ないです。

 

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.09.21更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

今日はみなさんに、解剖学を知っていただこうと思います。歯に関係ある骨は上顎と下顎があります。まず上顎について説明します。

上顎骨には大きな空洞があります。それを上顎洞(じょうがくどう)と言い、そこに膿が溜まった状態を蓄膿といいます。知っている人も多いのではないでしょうか。

上顎洞の大きさは年齢とともに小さくなっていく傾向がありますが、50代の方で3x3x3cmくらいのサイコロ状です。上顎洞は、上の歯と密接な関係があります。特に前から数えて6番目の歯(第一大臼歯)が非常に密接に生えている、又は、歯根が上顎洞内に突き出ているのです。

そして、その骨は健康な歯があるときはしっかりとそれを支えようとしてちゃんと厚みがあるのですが、歯が抜け落ちるともう支える歯がなくなるのでしっかりとした骨が作れなくなります。つまり骨が薄くなってしまうのです。

歯を支える骨の上は上顎洞ですから骨が薄くなると上顎洞までの距離が短くなってインプラント治療などを行うには困難となります。

では骨の作り方は?次回は下顎のお話へと続き、骨の作り方を解説していきます。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.09.14更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

「最近歯がグラグラする。痛い。もうだめかな。抜けてしまうのでは」年齢を重ねるとどうしても出てくるこんなシーン。お年を召された方のみならず、お口の手入れをおろそかにしている方、経験ありませんか。

「歯自体は特に問題ないと思うけど、それを支える歯茎がじくじくする・・・」そう感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな時はどうするか。先日書きましたが、歯を抜いた後一番良好な方法はインプラントかと思います。インプラントとは、顎の骨に人工の歯根(チタン製)を植えることです。そしてその上に歯冠を載せる。そうすることによって歯を再度作って噛めるようにする。50年ほど前とは全く違ったアプローチです。

それまではなかった虫歯にならない人工の歯。昔の人は入れ歯で、固いおせんべいなどのお菓子を食べるのも一苦労だったので、随分快適な時代になりました。しかし、安心は禁物。通常の歯同様、歯周病になる可能性があるのでブラッシング等のケアは欠かせません。

ここまで話してきましたが、そもそもインプラント治療するには歯を支える骨、インプラントを支える骨がないと治療できません。

続きは次回。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.09.08更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

8月のオリンピック。日本の選手の活躍、素晴らしかったですね。
ところでみなさん、気づかれましたか? 多くのスポーツ選手がマウスピースをしているのを。

マウスピースは歯を保護するという目的があります。他の選手と接触するような激しいスポーツでは以前からつけている選手を見かけましたが、最近ではそのようなコンタクトスポーツ以外でも装着している選手を見かけるようになりました。

そもそもマウスピースは歯を保護するという目的や、身体のダメージを防ぐ等、安全面の配慮からきています。その他、運動能力の向上、集中力アップ、バランス力アップにも効果的と言われています。当クリニックのホームページに詳しく載っていますので是非、参考にして頂けたらと思います。

今回のオリンピックをはじめ、装着する人の数は今後、歯や口の保護、上記のような目的で増えていくと思いますが、まだまだプロスポーツ以外での使用はあまり見かけません。歯科医師の観点から見れば、歯を大事に保護するという意味でマウスピース装着は大変効果的なことなので、興味のある方は是非歯科医師にお尋ねください。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.08.31更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

さて、「歯を失ったら」も今回で3回目、最後です。

前回と前々回で義歯やブリッジについてお話ししました。
今回はインプラントについてです。

インプラントという治療法は1952年にスウェーデンのブローネマルクという人が、骨と金属のチタンがくっつくということを発見したのが最初で、そこから、現在の治療法の原型が確立しました。なので、まだ比較的新しい治療法です。発見されて60年余りですね(インプラント治療が始まって50年ほどです)。ですが、義歯やブリッジのような欠点がありません。

隣の歯を削ることもありませんし、負荷についてもご自身の歯と同じように耐えることができます。なので、人工歯根(インプラント)のメリットは非常に大きいと言えます。ですが、利点しかないわけではありません。当然欠点もあります。

一番の問題は、保険診療ではないということ。つまりは全額負担ということになってしまいますから、最大のデメリットはこれじゃないでしょうか。

次は、どんな状態でもインプラントができるというものではないということです。
人工の歯根を骨に植えるわけですから、当然そこに適度な骨がないことにはできません。よって骨を作る作業をしないといけない場合もあります。骨を作る方法にもいろいろありますが(今回は省略しますが)、ケースに合わせて行います。

あとは他の治療法に比べて治療期間が長い、外科手術になるので痛みを伴うことでしょうかね。

要はどんな治療法にもデメリットはあるということを理解していただいた上で、患者様に合った治療法を選ぶということが肝要です。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.08.25更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

今回は前回に続き、「歯を失ったら...」の2回目です。

前回、歯を失ってしまった場合に義歯を入れたらどうなるということを簡単に説明しました。今回は、ブリッジについてです。

ブリッジとは言葉のごとく、歯のない部分に橋をかけるということですね。つまり、残った歯を削り、橋をかけるわけですから、最大の欠点としては健康な歯でも削る必要があるということです。

さらに、歯のないところにかかった加重はその両隣の歯が受けることになり、隣の歯にはオーバーロード(負担のかけすぎ)が起きます。食事のときに毎度そのような負荷がかかると歯を支えている骨が徐々に痩せていき、そのうちに荷重に耐えられなくなりグラグラし、抜けてしまいます。そうなると、(仮に)1本の歯がなかったので作ったブリッジなのに、結果3本の歯がなくなったのと同じになってしまいます。

そのようにして、徐々に徐々に顎全体の歯がなくなっていってしまうという負のスパイラルに陥ります。
でも、昔はこんな治療法しかなかったんですよね。もちろん今でも保険診療ではこの方法か義歯の選択しかありませんが。

投稿者: わたなべ歯科医院

2016.08.22更新

こんにちは。
岡山県倉敷市で開業している「わたなべ歯科医院」、院長の渡辺駿二です。

今回は、「歯を失ったら...」です。

年齢を重ねるとどうしても歯をキープしようとする骨が減ってきます。もちろん歯周病でもそれが起こります。
また、若い時でも外傷など予期せぬ時に歯や骨を失い、それが前歯だと大きな口を開けて笑うこともできませんね。
若い時なんて言いましたが、前歯がなくて困るのはいくつになっても同じです。

では、どうしたらいいのか。様々な方法があります。
当然、何本ないのかということも関係してきますが理想を言えば、

1 インプラント 
2 ブリッジ 
3 義歯(取り外し可能な入れ歯)

の順番でおすすめの方法になります。
なぜ、インプラントが一番か。それには様々な理由がありますので順に説明していきます。 

ではまず3番の義歯から。
義歯(入れ歯)は一番簡単に作ることができます(と言いますがピタッと合う入れ歯を作るには結構な時間と手間が要りますけどね)。

多少隣の歯を削ることもありますが、隣の歯に維持を多少求め(上の歯なら落ちてこないようにする)、あとは歯のないところの歯肉に負担をかける方法です。簡単に作れることが最大のメリットのように思えますが、最大の欠点は、歯肉に負担を求めますから、なんでも噛むことはできません。ある文献には18Kgくらいの負荷にしか耐えられないという報告があります。

成人男性の噛む力は、ご自身の体重くらいです(もちろん歯によって噛む力は異なりますが)。つまり大体60Kgですから入れ歯はおよそ1/3の力にしか耐えることができません。

そして普段の食事の時に必要な力は20Kgくらいと言われます。
ということは、ギリギリ咬めるということになりますが、食べるものを選ばないといけないという大きなデメリットが出てきてしまいます。 

続きは次回。

投稿者: わたなべ歯科医院

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